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高畑勲、こだわりの仕事術!完成後に「やり直します」…プロデューサー陣が明かす

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左から、齋藤優一郎、川上量生、石井朋彦
左から、齋藤優一郎、川上量生、石井朋彦

 スタジオジブリの制作現場に密着した映画『夢と狂気の王国』の公開記念トークショーが15日に新宿バルト9で行われ、スタジオジブリのプロデューサー見習いの川上量生、Production I.Gの石井朋彦細田守作品を手掛ける「スタジオ地図」の齋藤優一郎らプロデューサー陣がスタジオジブリについて語り合った。

映画『夢と狂気の王国』場面写真

 1999年にスタジオジブリに入社し、鈴木敏夫の下でプロデュースを学んだ経験を持つ石井は、本作について「初公開の映像がいっぱいあった。『風の谷のナウシカ』のときに、スタッフの前でスピーチをする鈴木さんの姿なんて涙が出ましたね」と感激した様子。さらに「この映画では、宮崎吾朗と高畑勲の登場シーンがすさまじく面白い。(彼らの登場で映画が)一気に狂気に変わっていく、それだけでも観る価値がある」と本作の見どころを語る。

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 一方、『夢と狂気の王国』が映画初プロデュース作品となった川上は、その撮影を振り返り、「僕がインタビュアーで、高畑さんに合計3~4時間くらい話を聞いたけど、90パーセントくらいは僕が説教されていた。本当に怖かったですね」と苦笑い。その話を聞いた石井も「思い出すだけでドキドキですね」と同情を禁じ得ない様子だった。

 さらに川上が「僕は宮崎さんにも怒られるんですが、宮崎さんが怒ると理屈が通じない。何言ってもだめ。でも高畑さんは逆で、怒った相手の反論を一言一言ちゃんと聞いたうえで、それで相手の言うことを否定する。ちゃんと相手の話を聞いているのはすごいなと思いますよ」と付け加えると、石井が「ただ、宮崎さんは怒った後に笑いますからね。あれで全てが許されるんですよ」と両者の違いについて解説した。

 さらに「もう言っちゃっていいんだと思うんですが」と高畑勲監督の『ホーホケキョ となりの山田くん』に参加したときのことを振り返った石井は、「いよいよ映画が完成というときに、オールラッシュを観た高畑監督が『作画からやり直します』と言い出したことがあった。上下左右の余白が見切れてしまったのがその理由。『かぐや姫の物語』もそうだけど、『この作品は余白まで作品。言っていただければ、そこまで演出したのに』と言うんで、僕と先輩は泣くしかなかった。そのときは怖くて、嵐が過ぎ去るのを待つしかなかった」と高畑との仕事を懐かしそうに振り返っていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『夢と狂気の王国』は全国公開中

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