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ベネチア激震!宮崎駿に続き2人目…ツァイ・ミンリャン監督が引退を発表

第70回ベネチア国際映画祭

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ベネチアで引退を発表したツァイ・ミンリャン監督
ベネチアで引退を発表したツァイ・ミンリャン監督 - ベネチア国際映画祭提供

 第70回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に台湾映画『ストレイ・ドッグズ(英題) / Stray Dogs』で参加しているツァイ・ミンリャン監督が、本作を最後に監督業を引退する意向であることを明かした。現地時間5日、同作品の公式会見で語ったもの。

 本作のプレス用資料でツァイ監督は、ここ数年、映画制作に疲弊し、辞めたいという思いを持ち続けていたことを明かしている。その理由を「商業的になり、大衆に迎合したり、観客の顔色をうかがって作るような映画に必要性を感じない」としており、自身の作風と相反するかのような、昨今の映画界の流れに疑問を抱いたことが大きな要因のようだ。

 一時は映画制作の全てに興味を失ったというが、再び「撮りたい」という気持ちにさせてくれたのが、ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作『愛情萬歳』(1994年)などでツァイ監督作おなじみの俳優であるリー・カンションの存在だった。2011年に共に舞台を手掛けた際、彼の芝居と表情の変化に感銘を受け、今こそ彼をカメラに収めたいと『ストレイ・ドッグズ(英題)』を企画したのだという。

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 記者会見では現在の心境を確認する質問が出たが、ツァイ監督は「わたしは、これを最後の作品にしたいと思っています」と発表。続いて「人生は何が起こるかわからないが、わたしは運命と宿命を信じている」と語った。会見後、世界各国のメディアの取材にも応じているが、決意は堅いようだ。

 今回のベネチア国際映画祭で引退を発表した監督は、『風立ちぬ』の宮崎駿監督に続いて2人目となる。世代交代を印象づけるような現象だが、ツァイ監督は55歳とまだ熟年の域に達したばかりとあって惜しむ声は多そうだ。ツァイ監督は前述したプレス資料の文章で最後に、1991年から2012年まで、共に走り続けてきたリーに感謝を述べるかのように「彼の顔は、わたしの映画そのものだ」と締めくくっている。(取材・文:中山治美)

第70回ベネチア国際映画祭は9月7日まで開催

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