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貫地谷しほりが号泣したクライマックスシーン!竹中直人と演じた父娘の愛!

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貫地谷しほり&竹中直人
貫地谷しほり&竹中直人 - 写真:高野広美

 2012年に惜しまれながら解散した劇団、東京セレソンデラックスの名作を、堤幸彦監督が映画化した『くちづけ』で、物語の軸となる父娘を演じた貫地谷しほり竹中直人が役柄への思いを語った。

映画『くちづけ』フォト

 知的障害者の自立支援を目的としたグループホームにやって来る貫地谷演じるマコと竹中演じる父親の愛情いっぽん。マコは知的障害を持つ女性で、いっぽんは、元人気漫画家という役柄だ。原作が舞台劇だったこともあり、撮影は、まるで舞台劇そのままを撮るように、5台のカメラで一気に行われた。

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 「原作の舞台劇を観るようにと監督からは言われたんですが、影響されないように早送りで観ちゃいました」という貫地谷は、「マコちゃんは、ピュアな女性なので、その場で感じたことを大切に演じようと思っていました。とにかくうそはつきたくなかったんです」と撮影に臨んだ心境を明かす。

 対する竹中も、大切にしたのは、「しほりちゃんとのこと」だという。竹中も貫地谷と同じで、共演する相手の芝居を受けることを大切にし、物語の全体を把握して演じることが嫌いなタイプ。そのため、「(撮影現場では)しほりちゃんの存在を感じていました。ずっとしほりちゃんを見ている感じかな。当たり前のことなんですけどね」と語る。

 貫地谷によると竹中は、5台のカメラで撮影されている現場で、自分が映っていないところでも貫地谷のことをずっと見つめていたそう。「ふと見ると、竹中さんがすごく心配そうにわたしのことを見ている。すごく愛を感じた」という。

 そんな撮影の中でも大変だったのは、二人の、父娘としての愛情が高みに達するクライマックスシーン。貫地谷は「スタッフさんたちも間違っちゃいけないような撮影で。わたしたちも、まるでコップの水があふれそうになるような、感情ギリギリところまで見つめ合って、集中して気持ちを高めて……。撮影が終わったときには、思わず泣き出してしまいました」と緊迫感にあふれた撮影を振り返った。

 竹中によれば、それは「堤監督の、映画に懸ける情熱」が込められたシーンだという。「映画のダイナミズムが感じられます。そこに至るまで高めていく、映画ならではのすごさ。堤監督のエネルギーをすごく感じましたね」。作品と真摯(しんし)に向き合った二人からは、映画に対する熱い思いが感じられた。(取材・文:永野寿彦)

映画『くちづけ』は5月25日より全国公開

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