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アカデミー賞日本代表『かぞくのくに』エストニアで招待上映 !ヤン・ヨンヒ監督日本を代表しての参加に喜び

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『かぞくのくに』と共に各地を回るヤン・ヨンヒ監督
『かぞくのくに』と共に各地を回るヤン・ヨンヒ監督

 第85回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選ばれた、ヤン・ヨンヒ監督『かぞくのくに』が、エストニアで28日に閉幕した「第16回タリン・ブラックナイト映画祭」で招待上映された。

映画『かぞくのくに』写真ギャラリー

 ベルリン国際映画祭を皮切りに、同映画が海外映画祭に招待されたのは15か所目。今回ヤン監督はコンペティション部門の審査員も務め、「日本で生まれ、日本が自分の居場所だと思っているけど、20数年前は、自分がこうして日本を代表して映画祭に来られるなんて信じられなかったな」と喜びを噛み締めている。

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 特にエストニアは、第2次大戦中ナチス・ドイツに占領され戦後約50年、旧ソ連の支配下にあった。『かぞくのくに』が描く朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)も、旧ソ連による占領時代も含め、人々は政治に翻弄(ほんろう)され続けてきた背景があるだけに、地元の観客から共感の声が相次いだという。ヤン監督は「エストニアは独立してから21年ですが、若い人も国の歴史はもちろん、家族の歴史をちゃんと知っているんです。でも他の国で上映しても反応にあまり大差はなく、作品に力があれば国境を超えて伝わるし、お客さんを信じていいんだということを実感しています」と語る。

 審査員の方は、期間中に20作品を観賞するハードな作業だったそうだが、人種も異なれば、カメラマンや女優など、立場も異なるメンバーと一つの作品について語り合う時間は濃密で「刺激的でしたね」と充実した表情。結果、最優秀作品賞には、8歳の少年の目を通して戦争を描くウクライナ映画『ハウス・オブ・ザ・タレット(英題) / House with a Turret』に贈られた。ヤン監督は「アート過ぎるという声もあったが、本当に鑑賞後に(魂が)震えるような作品で素晴らしかった。今度、たくさんの映画祭で上映されるべき作品だと思いました」と感想を語る。

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 ヤン監督自身、映画祭における賞の大きさを理解している。『かぞくのくに』も第62回ベルリン国際映画祭の国際アートシアター連盟賞受賞が弾みとなり今に繋がっている。「アニメ『ふしぎなメルモ』のメルモちゃんが薬を飲んで大きくなったように、映画祭という薬のおかげで作品がどんどん成長しているかのよう」と笑顔で語ったヤン監督。帰国直後の12月1日には、沖縄・桜坂劇場での舞台あいさつを行うなど、『かぞくのくに』と共に今後も国内外を飛び回る予定だ。

映画『かぞくのくに』は全国順次公開中

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