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男の美学とは何か…いとうせいこう、人類の普遍性を描く映画『あぜ道のダンディ』に感動!

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石井裕也監督(左)といとうせいこう
石井裕也監督(左)といとうせいこう

 9日、映画『あぜ道のダンディ』の石井裕也監督と、作家・クリエイターのいとうせいこうによるトークショーがテアトル新宿で行われ、以前から石井作品に注目しており、ツイッターで「人類の普遍に届き、感動がせりあがってくる」と同作品を表現したいとうが、石井監督の本音に鋭く迫った。

映画『あぜ道のダンディ』写真ギャラリー

 本作で光石演じた主役の宮田と同い年といういとうは開口一番「この作品は、親子はいろいろなことがあっても、最終的には自然と似てしまうという人類観を描いている。人間はカルマ(業)から逃れるのは難しいんだと、この映画を観ると実感してしまう。若いのに、すごく大きなことを描いているなと思いましたよ」といとう独特の表現で賞賛する。

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 そんないとうの発言に石井監督は「男の“粋”を描きたいと思っていたのですが、粋とは誠実さだったり、倫理観だったりと置き換えられると思うので、ストレートにそれを表現するように心がけました。これまで日本は経済を成長させるために失ってきたであろう部分、たとえば思いやりだったり、義理人情だったりをきちんと描きたいと思っていました」と作品に込めたメッセージを伝える。“粋”と“人類観”。表現方法は違うが、人間にとって大切な“普遍性”という部分でお互い共感を得られたようで、石井監督は「いとうさんとお話ができてよかった」と照れくさそうに頭をかいた。

 また、石井監督は昨日、秋公開の映画『ハラがコレなんで』が完成したことを発表。仲里依紗主演の同作は、妊婦が主人公の話ということで「昔ながらの長屋を舞台にした話。落語的な世界観、こちらでも日本人の“粋”を描いています」と報告した。

 本作は、妻に先立たれ、男手一つで息子と娘を育てた中年男・宮田(光石研)が、自らの持つ男の美学にこだわり、不器用ながらも家族とのコミュニケーションをとろうとする様子を描いた、おかしくて切ないヒューマンストーリー。(磯部正和)

映画『あぜ道のダンディ』はテアトル新宿、ユナイテッド・シネマ前橋、シネマテークたかさきにて公開中。全国順次公開。

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