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メイズ・ランナー:最期の迷宮 (2018):映画短評

メイズ・ランナー:最期の迷宮 (2018)

2018年6月15日公開 142分

メイズ・ランナー:最期の迷宮
(C) 2018 Twentieth Century Fox Film

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

中山 治美

次代のスターはここから生まれる

中山 治美 評価: ★★★★★ ★★★★★

各国が観客を呼べる俳優の育成に苦心している中、米国の確立されたスター・システムに改めて感心する。
彼らがまず育てるのは、世界で圧倒的なシェアを誇るアクションスター。
日本の俳優が青春映画で大衆に阿った芝居の癖を付けさせられている間、彼らは身体を動かしてこそ自然な感情が付いて来ることを学ぶ。
シリーズを重ねる度にアクションの難易度は増し、重傷も負った。
だが今回のひとえにミンホを救うために戦う友情物語に嘘を感じないのは、役を超えた絆が芝居の根底にあるからだろう。
そして昔のL・ディカプリオっぽくなってきたニュートを見ながら、大衆に好まれるスターの容姿は変わらぬのだと思い知るのであった。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

“仲間を見捨てない”……この"ラン"の本質はそこに!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 三部作の完結編となる本作で、あらわになったシリーズの一貫性があるなら、“決して仲間を見捨てない”というキャラクターのスピリットに尽きる。

 主人公トーマスの行動原理は前2作同様に、今回もそこにある。一緒にサバイヴしてきた仲間が危機に陥ったならば、どこまでも助けに行く。そのトーマスが絶体絶命の危機に陥ったときに他の仲間が助けに来る、ともすればご都合主義的な展開も、そこに宿る侠気で説明がつく。

 とっかかりこそ”メイズ”の面白さにあったが、主語はあくまでランナーだ。どんなに走り続けても、救えた者もいれば救えなかった者もいる。そんな現実こそがリアルな青春ドラマに、ちょっと泣けた。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

三部作が完結した後に見えてくる光景がある

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 なるほどこう来たか。前作でこの世界の構造は明らかになったので、謎が解けた後に物語を牽引する要素は何なのかと思ったら、今度は主人公の信念が試されるのだ。
 そして、三部作としての完結ぶりが見事。見終わって全作を振り返ると、それぞれがまったく異なる世界を見せてくれたことが確認できる。舞台も別々で、第1作は閉ざされた謎の迷宮、第2作は荒れ果てた大地、第3作は先端科学の大都市。そして本作の最後が、さらにその先にあるものを予感させくれる。それと同時に、この物語はシリーズ名の通りで、迷宮は第1作にだけあったのではなく、3作それぞれがタイプの異なる迷宮であったことに気づかせてくれるのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

3部作の完結として、ドラマもアクション演出も的確

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作からすでにタイトルのメイズ=迷路の実質的存在は消えていたが、この完結編では、主人公たちが乗り込む組織内での攻防が迷路的だったり、1作目の迷路のトラウマが要所で甦ったリと、作品の精神は受け継がれている。

仲間が護送される列車と、それを車で追う主人公たち。列車が進む横方向と空に向かう縦方向を豪快に駆使したその冒頭シーンを筆頭に、要所のアクション演出には「移動」と「加速」が意識されており、アドレナリンを上げる効果は万全。この効果、最近のアクション大作では抜け落ちるケースが目立つので、今作の「的確さ」は際立つ。敵キャラの本音や、仲間のための自己犠牲、しっかりした結末など、全体のバランスも良い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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