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まほの[子連れ]ハリウッドへの道67

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【地獄のパターゴルフ/完結編】
(軍曹との熱き友情)

【地獄のパターゴルフ(砂漠の恐怖)】


                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

  「ヘイユー!!ウエイト!!!」
 
 ムキムキ軍曹に呼び止められた私は、震え上がった。


ま「な、なんすか?」
軍「お前、どこいく?」
ま「いや、私このままじゃきっと日暮れまでかかっちゃいそうなんで。次行きます
軍「なーに言ってんだよ。おれたちのことは気にしないでゆっくりやれよ。テイクユアターイム!」
ま「い、いやあの。まじでいいから」
軍「ノウ!!! ジャスト ドゥーイット!」


ジャストドゥーイットッてあんたナイキのCMじゃないんだからさ。いつから、こんな強制的にパターやんなきゃいけなくなったのよ。もうヤなんだよ、ほっといてくれよおおお!!!


私の切実な願いも空しく、半ば力ずくでもとのコースに連れ戻された私はまたも、こつんこつんと一生入るはずのないパターをはじめた。暑いつらい
つらすぎて涙が出てきた。もうやだよー。ひそかにぐすぐすしながらコツコツ打ち続ける私に、今度は軍曹自ら教育しだした。

「こうこうこうやってうつんだよ。分かったか??」
「へえ」
コツ。
おおおおお!!! はいったぜー!!
いやったー!! 

軍曹と抱きあいながらしばしこの瞬間を体感していたものの……。
気付けば、このアーミーたちの中でノリノリなのは軍曹のみ。他のやつらは、かなりしけた目で私を見てやがる。そらそーだわな。こんな砂漠の真ん中、この暑さの中でヘッタクソな私のパターにつきあってられんわな。


こ、こえええっっっ。たのむ軍曹。お願いだから私を解放してッ。
「センキューセンキュー」
を連発して、またもすごすご逃げようとする私たち。ジョンも、昔のトラウマのせいで真っ青。「俺、吐きそう」とまで言ってるよ。なのに。
「へい。おまえら。どうせだったら俺らと回ろうぜ。」


軍曹のこの一言で、私たち森田まほ解放戦線は崩壊。
 

この後、おっかい白人のアーミー達の抱えるプレッシャーに押しつぶされながら、いじめられっ子のジョンは過呼吸寸前になりながらも、大健闘。なのにオイラは軍曹に空振りのたんびにケツ叩かれまくって、げっそり。
プレーは、あり得なく2時間をこえた。

ようやく、最後のショットを決めたとき、わたしゃ神の声を聞いたもんだ。
まほ、もうロスに帰ってもいいよ。
悪夢は終わった……。


駐車場で、へろへろになって車に乗り込む私たちにアーミー達は、なぜかすがすがしく満足げな笑顔で、一人ひとりにハグ


なんなんだ、この人らは。いったいなんだってんだ。心の中に、燃えたぎるほどのにっくき炎が燃え上がる中、なぜかちょっと感動してる私。あんたら、ホントはえー人だったんやないか??


今まで、ただのこわもてな兄ちゃんだと思ってたアーミーを見直しながらも、もう二度とパターはやんねえぞ!!とかたく胸に誓った森田なのであった。

 



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